あなたの会社では、計画的に人材育成できていますか?
慢性的な人材不足に悩んでいる中小企業は、計画的に人材を育てることが非常に難しい環境です。
中小企業で人材育成が充分にできない理由はいくつもあります(私にも実感があります)。
すぐに思い浮かぶ理由は、「皆が忙しくて人材育成に割く充分な余裕がない」ではないでしょうか?
確かに、人手が足りない中小企業では、皆が複数の役割を掛け持っていたり、優秀な人に仕事が偏ったりして、人材育成に割く時間や心理的な余裕が少なくなりがち。
ところが、もう少し深く考えてみると、それだけが理由ではないんですね。
人事ポリシー・人材ポートフォリオがない
そもそも人材育成って、なぜ忙しい中でもやらないといけないんでしょう?
理由は簡単です。
育成していかないと、あなたの会社の将来を担う人材がいなくなってしまうから。
では、会社の将来を担う人材ってどんな人ですか?
どんな能力を持っていて、どんな役割を担っていますか?
人数は何人必要ですか?
今、社内に存在していますか?
そのような人材を、今後何年でどうやって育成しますか?
あなたの会社では、これらの将来像を明確にしていますか?
これらが明確じゃないことが、あなたの会社で人材育成がなかなかうまくいかない原因になっていると思われませんか?
もし「そうかも知れない!!」と思われたら、まずは人事ポリシーと人材ポートフォリオについて学んでおきましょう!
人事ポリシー・人材ポートフォリオがないと、どのような人材育成が必要かがそもそも分からない!
人事ポリシーとは?
人事ポリシーとは、「あなたの会社で働くすべての人に対する会社の考え方」です。
働くすべての人なので、正社員だけでなくパートやアルバイト、派遣会社から派遣される派遣社員等、本当にあなたの会社で働くすべての人に対する会社の考え方です。
この考え方の中には、例えば「人材について何を評価するのか」や「採用、育成スタンス」「給与、賞与の考え方」「人材の新陳代謝」等の人材育成の方針を考えるにあたり重要な概念や、次に紹介する「人材ポートフォリオ」を導くための「理想の人材像」が含まれます。
人事ポリシーは経営理念等と同じく、あなたの会社独自の考え方、価値観です。
ということは、もし人事ポリシーが曖昧なら、あなたの会社の人材に対する価値観も非常に曖昧で一貫性がないということになります。
ちなみに人事ポリシーは作るのではなく、これまで言語化されていなかった考え方を見出して、明確にする類のものです(価値観なので)。
人材ポートフォリオとは?
人材ポートフォリオとは、企業が事業計画を実現させるためにどのような人材が何人必要かを分析し、整理したものです。
例えば、あなたの会社の人材を次のカテゴリーに分類してみましょう。
- 定型的な業務をする人
- 組織を管理する人(管理職)
- 個人で変革、価値創造をする人(スペシャリスト)
- 組織を通じて変革、価値創造をする人(経営層・経営層候補者)
どのカテゴリーに何人ずつ分類されましたか?
そして、今後あなたの会社に必要な人数が、適切なカテゴリーに配置されていますか?
もし必要な人数に足りなければ、人材を採用したり、目標に向けて育成しなければいけませんよね。
経営資源の面から人材育成を考える
経営資源を4つ挙げるなら、伝統的に「ヒト・モノ・カネ・情報」です。
中小企業は大企業に比べ、これらの経営資源が乏しい場合がほとんどです。
特にヒトについては、これまで見てきた多くの中小企業で質、量ともに不足しているケースが多いです。
これまで私とご縁があったどの会社でも、
- 人が採用できない
- 優秀な人材が欲しい
という声が聞かれました。
それもそのはず、売り手市場が続く現在、そして労働人口が減っていく将来において、大企業に比べて待遇が低く、安定性に欠ける中小企業には、そもそも優秀な人は来ないのです(何をもって「優秀」というのか定義がないので乱暴な言い方ですが、高学歴とか高価値のスキルがある等「一般的なもやっとしたイメージでの優秀な人」はまず来ません)。
更に中小企業の間で人材の争奪戦が繰り広げられ、充分な量の人も採用できません。
優秀な人が採用できず、そもそも欲しい人数採用することもできない…となると、育成するしかありません。
中小企業には俗に言う優秀な人も来なければ、必要な人数の人も来ない。
今だけじゃなく、将来も。
「カネ」は緊急度・重要度が高い経営資源だが「ヒト」は?
経営資源の中で、緊急度も重要度も高いものはカネです。
なぜかと言えば、カネがなくなった瞬間会社は終わるから。
たとえ赤字が続いても、カネがあれば倒産はしません。
逆に黒字でも、資金がショートすれば会社は潰れます(黒字倒産というやつです)。
資金に余裕がない多くの中小企業では、経営者は常にお金周りを気にします。
もちろん、私もです。
お金周りに気を配っていないと、即退場になるんですから。
そして、とても不安だし、心配になるし、メンタルを削られます。
カネって、ものすごい不安材料なんですね。
じゃあヒトは?
ヒト(人材)も、会社にとってなくてはならない存在です。
会社にヒトがいなければ、そもそも収益を上げていくことはできませんよね。
そこに異論がある方はいらっしゃらないはず。
でも、(今にも訴訟になりそうなハードな労務トラブルが勃発している以外で)人材についてとても不安で、心配になり、日々メンタルを削られますか?!
多分そんな方はほとんどいらっしゃらないはずです。
なぜなら、皆忙しくて手一杯で余裕がなくて、「人手不足だ!」って感覚はありながら、どうにか仕事が回って収益が入ってきて、社員に給与を払えているから。
ちなみに、あなたの会社の人材の年齢を一覧にしてみて下さい。
何か気付くことがあると思います。
20代、30代の社員が圧倒的に少なくないですか?!
現状の社員構成で10年後、20年後どうなっているか想像してみると、もはや存続できない状態になっていませんか?!
ヒトは、カネと違って緊急性は低いんですが、重要性は同じく高いのです。
将来もあなたの会社が存続し、利益を上げていくためには、既に採用、人材育成を始めていなければいけないんです。
社員の年齢構成を一覧にしてみよう。10年後も事業を続けていられる状態だろうか?
ヒトを資源と捉えるか、資本と捉えるか?
昨今、「人的資本経営」というワードを耳にすることが増えたと感じます。
前に書いたように、かつてヒトは経営「資源」と捉えられることが多かったのですが、最近では「資本」と捉える考え方が浸透し始めています。
これらの違いは一言で言えば、人材に対する考え方、価値観の違いです。
人事ポリシーの中でも検討することになりますが、資源と考えるか資本と考えるかは会社の価値観によります。どちらか一方が正解というものではありません。
- 資源と捉える…ヒト=消費する対象。ヒトに対する費用をコストと考える
- 資本と捉える…ヒト=投資育成すべき対象。ヒトに対する費用を投資と考える
人材を育成し、将来的により多くの価値を生み出してもらうことにフォーカスする価値観は、後者と相性がいいことになります。
ヒトを資本と捉える価値観は、中小企業にこそ必要じゃないか?!
ヒトの課題は時間をかけてあなたの不安を現実にする
私もサラリーマンを辞め、社労士事務所を経営しています。
あなたが経営者として感じている不安を、同じように私も感じているはずです。
あなたの不安の根源は、事業がうまくいかなくなり自分や家族、社員が露頭に迷うことではないでしょうか?
資金が尽き、住むところもなく、食うにも困る生活に陥ることではないでしょうか?
私はこんなことにならないように、必死で前に進もうとしています。
中小企業の多くが、決して恵まれているとは言えないカードで勝負しています。
ほぼすべての経営者が重視するカネがなくなれば、即ゲームオーバーになりますが、状況によっては借入れてしのぐことができます。
ですがヒトを育てなければ、時間をかけてじわじわと詰んでいきます。
詰将棋のように、一手ずつ追い込まれていくんですね。
追い込まれたら逆転する手は、ほぼありません。
ただでさえ人が来ないのに、追い込まれた会社に入りたい人はいませんよね?!
なので今すぐ、人材育成に取り組むことが必要なのです。
ヒトに関する課題が目に見えて大きくなった頃にはもう、手遅れかも?!
経営の不安に共感し、共に解決してくれるパートナーを見つけよう
経営判断に関わる相談って、同じ悩みを持ち、同じ苦労をしている人にしたくないですか?
私もサラリーマン時代からおよそ18年間、様々な業種の経営者の方の相談を聞き、専門家の観点からアドバイスをしてきました。
そして今独立し、自分で事務所の経営を通じて気付いたことがあります。
それは、サラリーマンでは経営者の苦労は分からないということ。
私は会計事務所の職員を8年やっていた間に、数字(カネ)の面での様々な苦労を見てきました。
社労士法人で勤務していた間、その経験がすごく役立ったと思います。
カネの視点から会社を見ることができたので、アドバイスの説得力が少し違ったんですね。
ですが、今ならもっと親身な対応ができると確信しています。
なぜなら、経営者の苦労を(ほんの一部かも知れませんが)我が身で理解したから。
サラリーマンの時には到底分からなかったし、分かりようがなかった苦労。
もしかしたら、これまでのアドバイスは社長様からするとどこか「理想的で」「薄っぺらく」感じられたかも知れません。
私は同じ経営者の目線で、苦労に共感しつつあなたの相談に対応することができます。
あなたの会社の人材育成の課題に、今すぐ一緒に取り組みませんか!?
ご相談のご希望は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ!
コメント