パーパスの明確化は必要か?!そのメリットは?

経営基盤強化

最近「パーパス経営」というワードをよく目にするようになりました。
会社の存在意義を見出し、その意義に共感してもらうことで利害関係者とのつながりを強化する…という文脈で私は捉えています。

さて、この「パーパス」ですが、果たして企業にとって必要不可欠なのでしょうか
そして、パーパス経営を取り入れれば事業は上手くいくのでしょうか

これらを考えてみると、事業の成功について、経営者の価値観の深みから湧き出たパーパスであること、それを明確にし、かつ明文化することが重要であり、流行りに乗って付け焼刃的にひねり出したものはかえって逆効果であると思われます。

パーパスは「ビジョンの一部」である

書籍「ビジョナリー・カンパニー」では、パーパスは「ビジョン」の基本要素の1つであると定義されています。
ビジョンを構成するその他の要素は、「コアバリューと理念」「ミッション」です。
なお、永続性のある企業になるためには
まずビジョンがあり、そこから戦略、戦術が生まれる
ことが不可欠だとしています。
同時に、次のように書かれています。

金儲けのためにビジョンは要らない。ビジョンがなくても儲かる企業は間違いなくつくれる。(中略)だがあなたが金儲けだけが目的ではない、時代を超えて存続する偉大な企業をつくりたいなら、ビジョンが必要だ。

ビジョナリー・カンパニーZERO 158ページより抜粋

今やっている会社、事業の目的が「とりあえず儲けること」であるなら、わざわざパーパスを明確にする必要はないということですね。
ただ、現在一流企業と言われる企業でも、創業当初からビジョンがあった訳ではなく、会社を興して数年経ってビジョンを設定した企業もあるので、

今までパーパスなんて考えたことすらない。自分は経営者の資質に恵まれてないのかも?

と諦めてしまわなくても大丈夫です。これからパーパスを明確にすればいいんです。

ビジョンを設定するメリット

ビジョンを設定する=パーパスと、他の2つの要素を設定するメリットが4つあります。

1.ビジョンは通常では考えられないほどの努力を引き出す。
2.ビジョンは戦略的、戦術的判断を下すコンテクスト(文脈)となる。
3.共通のビジョンは一体感、チームワーク、共同体を生み出す。
4.ビジョンは企業がひとにぎりの中心人物に依存した状態から脱却する基盤となる。

ビジョナリー・カンパニーZERO 163ページより抜粋

メリットの中で一見して分かりにくい「2」ですが、次のように説明されています。

ビジョンを設定するのは、コンパスと遠く離れた山奥の目的地を持つようなものだ。仲間にコンパスを与え、目的地を示し、自由に目指してほしいと告げれば、おそらくそれぞれ自力でそこに到達する道を見つけるだろう。障害物に阻まれたり、回り道をしたり、(中略)。それでも方向性を示すコンパスと明確な最終目標と、目指す価値のある目的地に向かっているのだという信念があれば、おそらく目標に到達する。

ビジョナリー・カンパニーZERO 165~166ページより抜粋

企業の課題としてよく「社員が主体的に動かず、指示を待つのみ」「まったく会社のことを考えない低い目標を出してくる」「貢献意識、意欲が足りない」といったものが出てきますが、そもそも会社のビジョンが明確でないか、共有されていないか、共感されていない可能性がないでしょうか?!
多くの会社が経営理念を掲げていますが、完全に絵空事、他人事として捉えられているかも知れません(サラリーマン経験が20年程ある私には、非常に実感があります)。

ビジョンを構成する要素について

ビジョンを構成する「コアバリューと理念」「パーパス」「ミッション」について、ビジョナリー・カンパニーでは次のように説明しています(抜粋ではなく私の解釈です)。

コアバリューと理念

ビジョンの出発点になる要素。組織を動かす根本原則、信条を体系化したもの。
経営者の内側にある、「嘘偽りない」個人的価値観、理念の延長を、行動を通じて組織に伝え、定着させていくもの。

経営者としては、自分の価値観、理念を常に自分に問わなくてはいけないのだと私は思います。
同時に価値観は、良心や、はるか昔から受け継がれてきた正しい心持ち・考えに基づいていなくては、事業は成功しないでしょう。
「窃盗団には窃盗団の価値観がある」というフレーズを見ると、どういうことかイメージが湧きやすいと思います。

パーパス

コアバリューと理念から湧き出してきたもの。
会社の根本的存在理由。
特徴として、実現に向けて努力するための目標でありながら、決して完全な実現ができないもの。例えば、道標になる星のような概念。星に向かって歩くが、星に到達することはない。

コアバリューと理念と同様に、パーパスは会社の中に「すでにある」ことに気づくことです。
会社の存在意義は今すでにあって、けれど言語化されてないだけ。
会社の存在意義、社会への貢献を、1~2文で簡潔に表現しましょう(パーパス・ステートメント)。
優れたパーパス・ステートメントは、少なくとも100年に渡り会社の指針になりうるものです。

ミッション

実現可能な目標。簡潔、明快、人の心に届き気持ちを高揚させるもの。
ゴールが明確で、到達すればそれが分かる。
リスクを伴うが、それでも「自分たちはできる!」と直感させるもの。

パーパスが目印となる星なら、ミッションは今登っている山に例えることができます。
頂上に着いたら、目標が達成できたことが分かりますよね。
頂上に着いたら目印の星を見て、次に登るべき山を選ぶ。つまり、目標が達成できたら、パーパスに視線を戻し、また新たなミッションを設定する…という流れになります。

パーパスの設定に注意

上記で説明したように、パーパスは価値観・理念から湧き出したものでなければいけません。
例えば手っ取り早く流行りに乗ろうとして、なんとなく思いついた「耳障りの良い」フレーズで表現するとします。
フローに従って、なんとなくパーパスから目標を設定…となると、どうでしょう!?
概ね絵に描いた餅になりそうですよね。
また社長がどっかで聞きかじったことを元に何か始めたね
そんな感じで社員から白けられるのがオチではないかと思います(自分のサラリーマン経験を元に)。

パーパスを明確にする価値はある!

結論として、パーパスを見出し、明確に表現する価値はあります
とはいえ、とにかくパーパスに注目するのではなく、

  • コアバリューと理念
  • パーパス
  • ミッション

の順にアプローチし、明文化してみてはいかがでしょう?!

ビジョンの明文化をお手伝い

私が社会保険労務士としてのビジョンを考えたとき、「ES向上→CS向上→CF増加の螺旋階段」というイメージで価値観が明確になりました。
ES(従業員満足度)の向上がCS(顧客満足度)の向上につながり、結果的にCF(キャッシュフロー)の増加につながる。それが賃金アップの原資となり、ES→CS→CFの螺旋階段を登っていく。
そんなイメージです。

ESの向上は、待遇を良くすることも要素の1つですが、重要な概念として「仕事をする上での充実感・満足感」があると私は考えています。
例えば「こんなことやって一体何の意味があるんだろう?」「この仕事が何の役に立っているんだろう?」という気持ちを持ちながら、仕事に対する充実感を得られるでしょうか?
絶対に得られませんよね?!
ですが、このような思いを意識していようがいまいが、日々抱きつつ仕事をしている人は多いと思います。経験上。

少なくともビジョンが明確であり、皆が共感するものであれば、そこから生まれた目標は意味や意義を疑うものではなくなるはず。
そうであれば、従業員満足度向上という出発点から、螺旋階段を上へ上へと登ることができると考えています。

あなたと共に3方よしの会社を創りたい!ということで、ぜひ一緒にビジョンの明文化から取り組んでみませんか?!

お問い合わせ、お待ちしています!

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